大判例

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東京高等裁判所 平成11年(う)982号 判決

被告人 豊田稔 外一名

〔抄 録〕

被告人梶山の弁護人の所論は、要するに、原判決は、平成七年法律第九一号による改正前の刑法一九七条の五後段を適用して被告人両名に対し、それぞれ一億五〇〇〇万円の二分の一相当額金七五〇〇万円の追徴を命じたが、被告人梶山に賄賂金の帰属が証明されていないにもかかわらず、<1> 立証責任を転換して「不正の利益」を享受していないことの反証がないとして右金額の追徴を命じた点において、法令の解釈・適用の誤りがあり、<2> 非身分者に平等分配の推定をしているが、公務員同士の共同正犯に妥当しても身分なき非公務員と公務員の共同正犯者間においてあてはまるものではないから、これを本件にあてはめた点において、法令解釈・適用の誤りがあり、いずれもその誤りは判決に影響を及ぼすことが明らかである、というのである。

そこで、記録を調査し、当審における事実取調べの結果も併せて検討するに、先に述べたとおり、原判決が、「補足説明・第七 本件賄賂の分配、使途」において判示するところは、当裁判所も正当と認めるところであって、本件賄賂金の合計一億五〇〇〇万円は、被告人両名に帰属したことが明らかであるが、被告人両名間でどのように分配されたか、いずれの被告人がどれほどの額を保有しているか、いずれの被告人がどれほどの額をどのような用途に費消したかは、当審において取り調べた関係証拠を加えてみても、不明とせざるを得ないところである。

そして、刑法一九七条の五後段の追徴は必要的になされるものであるから、本件のように収賄の共同正犯者が共同して収受した賄賂について、共同正犯者間におけるその分配、保有及び費消の状況が不明である場合には、賄賂の総額を均分した金額を各自から追徴すべきものと解されるのであって、その旨の原判決の判断は正当である。所論は独自の見解に立って原判断を論難するものであって、採用の限りでない。

(高橋省吾 青木正良 村木保裕)

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